パワハラ、セクハラ、ルッキズムなどハラスメントにとことん厳しくなった令和以降の現代社会。そんな時代の煽りを受け、お笑いのスタイルも大きく変化していますね。一部の攻めたお笑い芸人以外は、ハラスメントを気にして笑いの取り方が現代風でマイルドになっている感じ。時代に合わせた笑いという面では、それでいいのかもしれませんが、見ている側からすると何か物足りない感じがするんですよね。平成世代の自分がこう思うという事は、昭和世代の方はもっと物足りなさを感じていると思います。自分が1番面白いと思うのは、ダウンタウンのお笑いのスタイルですね。特にツッコミの浜ちゃん。スベッた芸人の頭を引っぱたいたり、ケツを蹴ったりとやりたい放題。また女芸人にもデブ、ブタ、ブスなどもためらわずに言ったり、女性タレント相手でも下ネタをガンガンぶち込んだり遠慮は一切無し。大御所タレント相手にも、ジジイ、ババアなどお構いなし。ボケの松ちゃんも今でいうコンプラを攻めた天才的な笑いを表現していて、男女、歌手・タレント、先輩問わず、イジリ倒す笑いも最高でしたね。綺麗な技術のお笑いというよりは、荒い尖ったお笑いで、我慢できずに自然に笑わされてしまう感覚でしたね。結局、お笑いには荒さ・尖りが必要なんですよ。ボケた人をぶっ叩く、人をイジリ倒す、これがシンプルかつ1番面白いんですよね。浜ちゃんの場合、一言も発さずに、頭をぶん殴る・ケツを蹴るだけで笑いが起きて、大御所タレントに「おい、ジジイ!ババア!」と言うだけで笑いが起きていました。ハラスメントがダメな事はよく分かりますが、ハラスメントが前提ルールだからこそ、それをぶっ壊した時に笑いが起きるんです。自分の周りで考えても分かると思います。職場のムカつく上司に対して、同僚と「あのババア!!」と陰口を言っている時も面白いですし、お母さんがお父さんに怒る時に、「おい、ジジイ!!」と言った時もクスッと来ますよね。相手を深く傷つける中傷的なハラスメントはダメですが、笑いに昇華するハラスメントは全然OKだと思います。今の時代になかなか言いにくいですが、極論「面白ければ何でもOK」だと自分は思っています。ルールやモラルをぶっ壊す事こそ、お笑いの原点ではないでしょうか。逆にここまでハラスメントに厳しくなった時代だからこそ、それをぶっ壊すお笑いブームの到来に期待したいです。